この本を読んで一番印象に残った言葉だ。
この本は、経営学の父と言われる、ピーター・F・ドラッカーの経営マネジメントを女子マネージャーの『みなみちゃん』が弱小高校野球部に応用し、甲子園出場を目指すという内容。原書だけでは少し理解しにくいところも部活の出来事を踏まえてうまく説明してくれている。
以前にビジネス情報誌で紹介されいて気になっていたのだが、、、
正直なところ表紙の感じからして購入しようかどうしようかと少し迷っていた。。。
しかしながら、ビジネス書ランキングの上位にガンガン上がってきてたのもあり、このたび購入。
読み始めたら『早く買えばよかった』とすぐ思った。そして、一気に読み終えた。こんなに一気に読んだのも久々だったな。(清原和博の『男道』以来か・・・)
印象に残った言葉がたくさんあったので、その一部を書き残しておこうと思う。
- 企業の目的を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部、すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。したがって、「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。
- 企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。
- 人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす、手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、脅威である。しかし人は、これらのこのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり、能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。「人は最大の資産である」
- あらゆる組織が、事なかれ主義の誘惑にさらされる。だが組織の健全さとは、高度の基準の要求である。自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである。成果とは何かを理解しなければならない。成果とは、百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、間違いや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、くだらないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱みがないことを評価してはいけない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを試みる。
- 成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。
- 最近は、愛想よくすること、人を助けること、人付き合いをよくすることが、マネジャーの資質として重視されている。そのようなことで十分であるはずがない。事実、うまくいっている組織には、必ず一人は手をとって助けもせず、人付き合いもよくないボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれているものよりも尊敬を集める。一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。何が正しいのかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。このような資質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人付き合いがよかろうと、また、いかに有能であって聡明であろうと危険である。そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。
- マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。マネジャーにできなければならいことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身に着けていなければならない資質が、一つだけある。それは才能ではない。真摯さである。
ピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)
1909年11月19日 - 2005年11月11日)はオーストリア生まれの経営学者・社会学者である。
なお著書『すでに起こった未来』(原題"The Ecological Vision")では、みずからを生物環境を研究する
自然生態学者とは異なり人間によってつくられた人間環境に関心を持つ「社会生態学者」と規定している。
ベニントン大学、ニューヨーク大学教授を経て2003年までカリフォルニア州クレアモント大学院教授を歴任。
「現代経営学」あるいは「マネジメント」(management)の発明者と呼ばれる。
4 件のコメント:
こんばんは
経営するとは、信頼を得ることに尽きる
と思います。
人は、物心が付き出した頃から意識をしないで
親から信頼を得ようとしているのです。
社会人になり他人から信頼を得ること、それは
結婚し(一般論です)妻(夫)に信頼を得る
子どもが出来ら育てていく中で我が子から
信頼を得る、近い身内から信頼を得ること
その背景の中から仕事場(同僚、得意先、仕入先)で信頼を得ることだと思います。
これは真摯に正直に生きていくことの積み重ね
しかない。自分のつまらないところを素直に
さらけ出していく中で強くなるしかないと
思います。悩みながら元気で生きている様を
見てもらう事と思っています。
駄文失礼しました。
おやっさん
表紙からは想像出来ないほど真面目な本ですね。
…あれ?自分はどうも偏見が強いみたいです。
意識してなかったけど、きっと人に対してもそうですね。
信頼がない人には冷たいもんです。
皆同じように冷たくなるなら…真摯にならざるを得ませんね。
こんばんは
土曜日はどうもでした!
僕も同じ本を読んだんですが、見た目を(いい意味で)裏切る密度の濃い組織マネジメントの本でしたね。
経営とは・・・なんて大上段で語るのが分不相応なのは承知で言わせてもらうと、やはり人を“活かす”ことが出来るか出来ないか。これって大きいですね。
これからの日本のビジネスを考えていくと、高付加価値で創造性に富んだ内容の仕事していかざるを得ないと思います。かつてのように大きな機械の歯車のように仕事をしようと思っても、そういった仕事は人件費の安い国に取られてますから。
このような日本のビジネス環境を踏まえて考えると、個々人の能力(発想力や創造性などなど)、そしてそれらをどれだけ真摯にお客様に、市場に向けているかが求められてますね。
マネジメントとは、そういった個人の能力が活かせる場をつくることなんじゃないかと思います。人材から人財へ・・・そういった意識で組織経営をしているところはこれからも大丈夫でしょうね。日本の将来のためにも、そういった意識の経営者が増えることを切に望みます。
みなさんコメントありがとうございます。
>おやっさん
『真摯に正直で生きること』って大変です。。
真摯で正直であるがゆえに、周りとぶつかることもあったり、
ましてや、多勢に無勢な状況なときなんて、ものすごくつらい。
おかげで悩みは絶えませんが、それが成長につながると思えれば、悩むことも前向きに考えられますね。
幸いにも『悩みながら元気で生きている様』を見てくれる人たちが、自分の周りはたくさんいる。
それだけ考えても、自分は幸せもんだなと思います。
>akaiphoneさん
akaiphoneさんも気を使いすぎるところがあるかもね。
実は、僕自身が周りからよく言われてます(笑)
少なくとも僕には気を使わなくて大丈夫なんで、これからもどんどん遊びましょ。
>ABmanさん
土曜はこちらこそお世話になりました!
同じ本を同じタイミングで読んでたなんて、最初聞いたときにはびっくりしました。
ABmanさんが気にかけてた本を、自分も読んでたのでちょっと自信がつきました!
『変な詮索など必要ない』、『生き生きと働ける環境』。そんな環境を普段想像したりしてます。
恥ずかしながら、そんな環境に身をおけたらいいな、はたまた、そんな環境を提供できたらいいな、
なんて大それたことも考えています。
まだまだ僕なんかは理想ばかりが先走って、現実的な取り組みなんてまったくできてません。
ABmanさんの考え方や話は、僕なんかよりずっと具体的なので、いつも参考にさせてもらっています。今後ともよろしくです。
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